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日々揚げ足をとって生きていく

不定期に揚げ足をとっていきます

アート作品紹介でちょっとした誤訳

 WIREDは基本的にそんな変な記事があるわけじゃないのだけど、たまに余計な意訳が意味不明になっていたりする。

wired.jp

彼女はインターネットから収集した市販の写真を組み合わせて彫像をつくり、何もかもをただグーグルで検索していても発見はあまりないということを教えてくれる。

 インターネットから市販の写真を収集したら訴えられちゃうのでは(まあリチャード・プリンスという例もあるけど…)。原文はこちら。

She combines generic photos gleaned from the Internet to create sculptures that prove there’s not much discovery when you can just Google everything.

 genericなので「一般的な」とか「普通の」だろうか。specificの対義語というニュアンスが出てればよかったのだろうが「市販の」というのはピンとこない。ちなみにこの段落の2つあとの段落にもgeneric termというフレーズが出てくるんだけど、そっちは普通に「一般名詞」と訳せている。意訳した結果、なんかずれたんだろうと思う。

 加えて、「何もかもをただグーグルで検索していても発見はあまりない」となっている部分は「なにもかもパッとググれてしまうなら、大した発見などありはしない」だろう。続く文から考えても、「Googleで検索することの怠惰」ではなく、「あらゆる経験がGoogleによって先取りされてしまっているという環境」について言及していると考えたほうがいい。

 ちなみに1年ほど前のことだが、Instagramにアップされた「奇妙なクルマ」たち|WIRED.jpという記事では、「ひとつのタイヤを軸にして、画像の半分を90度反転して組み合わせると、「BB8」のようなキュートなクルマが誕生する。」という謎の説明が付されていた。90度の反転ってなんだよ、180度ならまだわかんなくないけど。実際に行われている操作は、真横から撮影した車の画像を水平方向に鏡像反転した同じ画像と組み合わせて、線対称な画像をつくるというもの。これ、原文だとなんて言ってるんだろう、って調べたら、90度だとか直角だとかそれに対応するような記述は一切なく、翻訳にあたってわかりやすく補足するつもりが意味不明になってしまった例だと思われる。

 新年からおそまつさまでした。