読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日々揚げ足をとって生きていく

不定期に揚げ足をとっていきます

自分の現職場をDISる人なんてそうそういないでしょ。

GIGAZINE

gigazine.net

現在はヒューレット・パッカードの子会社・Palmで働くバロウ氏は、「Palmのチームはとても組織的で、働く上で自分の属する部署以外に対する責任を負う必要はありません。それぞれが自分の持つ責任を明確に把握しており、わからないことを他部署の人に尋ねても『それは私の仕事ではありません』と言われるのが一般的でした」と話します。そしてバロウ氏はティム・クックCEO率いるAppleは大胆さがなくなり、Palmと同じような業務になっていると指摘しています。

 バロウさん、「Appleはつまんねえ会社になっちゃったな。まるで今の職場を見ているようだ」なんて言ってたら職場で干されるんじゃ… と思って元記事(Tim Cook made Apple 'boring operations company' - former engineer)を読んでみたら、案の定杞憂だった。

But today, the "dynamic has clearly and distinctly changed," and Apple is much closer to his job at Palm, said Burrough, who most recently founded a 3D printing company called Bilt It.

 バロウさんの一番最近の仕事は3Dプリンティングの会社を設立したことだそうだよ。じゃあいつPalmで働いていたかといえば、彼の経歴を見てみると、Appleに務める前の2005年から2007年にかけてだそうだ(この情報も最新ではなさそうだけれど、今回の場合は関係ない)。なんでこんな勘違いをしたのかちょっと気になる。ちょっと原文を見てみる。

"Working at Palm, the teams were highly organizational, [hierarchical] and responsibilities were siloed," Burrough said. "There was a clear sense that each person had a clear responsibility, and rarely deviated from it. When you went to someone for help solving a problem 'not my job' was a common response."

 可能性としては、バロウさんの言葉の冒頭に出てくる分詞構文(強調部分)の時制を、「現在分詞だから現在形だよね!」なんて具合に解釈したのかもしれない。当たり前だが、分詞構文の時制は主節の時制に従う。現在分詞と過去分詞は能動か受動かで使い分けるにすぎない。

一方でBloombergのマーク・ガーマン氏は「近年のAppleMac部門は2つ以上のアイデアを競争させるようになってきている。『デザイナーとエンジニアがひとつのコンセプトに同時に取り組むべき』という考えの元だ」と話しており、クック氏率いるAppleは賛否両論状態で、今後の手腕が期待されます。

 最後の段落のこの一文もなにを言わんとしているのかわからない。「2つ以上のアイデアを競争させるようになってきている」のに、「デザイナーとエンジニアがひとつのコンセプトに同時に取り組むべき」っていうのはどういうことだ? 原文をあたってみると、

Bloomberg's Mark Gurman reports that in the past few years, inside the Mac division "Apple managers have also become more likely to float two or more competing ideas, meaning designers and engineers must work on more than one concept at a time. In the past, managers pushed a more singular vision."

 言ってることがほとんど逆じゃないか! なにをどう読んだらあんな訳になるんだろう? 忠実に訳すと以下のようになるだろう。

Appleのマネージャーたちは2つかそれ以上の競合するアイデアのあいだをふらふらするようにもなってきていて、これはつまりデザイナーやエンジニアたちが一度に複数のコンセプトにもとづいて仕事をしなくてはいけないということを意味する。かつては、マネージャーたちはもっと確固たるひとつのヴィジョンを推し進めたものだ。

 ひとつの確固たるヴィジョンを是が非でも実現する、というジョブズ時代の押しの強さがなくなったために、デザイナーやエンジニアがひとつの目標に集中するような環境がなくなってしまった。それがAppleがかつてのような大胆さを失った理由だ、というのが論旨だ。GIGAZINEの記事を読む限り、執筆者はこうした含意を一切読み取れていないように思える。ほんと、なに考えて記事書いてるんだろう?